気持ちに左右されやすいお子さんへ〜ピアノ時間の中で育まれる、内側の変化〜

2025年07月23日 12:59
カテゴリ: レッスン日記

「ちょっとしたことでも涙が出てしまう」
「一度イヤになると、なかなか立ち直れない」
「できないと、自分を責めてしまう…」
そんな風に、“気持ちが揺れやすいお子さん”の子育てに
悩んでいる保護者の方は、少なくありません。
 
 
それでも私は思うのです。
それは、その子が持っている
「繊細さ」や「感じる力」が豊かだということ。
感情が動きやすいということは、
実はそれだけ「何かを感じ取る力」があるということ。
音楽の世界は、そんな子たちの心の“受け皿”になります。
 
 
ピアノ教室をしていると、とても繊細なお子さんと出会うことがあります。
最近、とくに印象に残ったのは、ある生徒さんの“変化”でした。
彼女は、感受性がとても強い子。
レッスンでは、弾けないところにぶつかると、ウジウジ……モジモジ……
声にならない葛藤が表情にあふれていました。
そんな姿を、お母さまはずっとそばで見守ってこられました。
「この子には時間が必要ですね」そんなふうに声をかけあったこともあります。
 
 
でも、変わってきたんです。
今回は、いつものようにレッスンノートに
コンサートをふりかえる言葉を書いてもらいました。
そこには・・・
「じしんあったけど、あんまりうまくいかなかった。
 でも、れんしゅうしてよかった。」
という言葉。
 
 
悔しさ、でもそれ以上に、
「がんばったことに納得している自分」が、ちゃんといました。
以前の彼女なら、
うまく弾けなかったことだけに気持ちが向いて、
涙で終わってしまったかもしれません。
でも今は、
気持ちに引きずられすぎず、自分の力で立て直す
・・・そんな力が、少しずつついてきているんだと感じました。
 
 
ピアノの音も、
最近は“しっかりした柱”が立ったような音が増えてきました。
その音に、心の成長がにじみ出ているようで、
じーんとしてしまう瞬間があります。
 
 
子育ては、いつも「すぐには見えないこと」ばかり。
でも、ピアノのような“積み重ねの時間”の中で、
ふとした瞬間に、その子だけの「変化」が見えてくることがあります。
ピアノは、ただ音を出すだけではない。
心を整える場所であり、
自分の気持ちと向き合う時間でもあります。
 
 
繊細さは、弱さではありません。
それはその子の、大切な感受性。
音楽は、それを力に変えることができる。
そう信じて、今日もピアノの前にいます。
 
 
もし今、
「気持ちに左右されやすくて心配」
「自信を持ってほしい」
そんな思いを持つ保護者の方がいらっしゃったら、
ピアノの時間が、
お子さんの“心の筋力”を育てる場になるかもしれません。
 
 
すずらんピアノ教室では、
ひとりひとりの気持ちに寄り添いながら、
ゆっくりと丁寧に進めていきます♪

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