この夏休み、合唱コンクールのオーディションに向けて
練習を重ねてきた中学生の生徒さんがいます。
中学生になると、学年が上がるごとに曲はどんどん難しくなり、
音楽の内容も深みを増していきます。
今年の曲は、前奏から印象派の絵のように音が重なり、
途中にはヘミオラのリズムも出てくるという、
聴いているだけでも魅力的な作品でした。
彼女は“伴奏だからやらなきゃ”というよりも、
この曲が大好き!という気持ちに引き寄せられるように、ピアノに向かっていました。
音の響きを楽しみながら少しずつ自分のものにしていく姿は、懸命さというよりも純粋さそのもの。弾けるようになるたびに嬉しそうに笑う表情が、本当にまぶしかったです。
そんな矢先、ママから突然のお電話が。
「えっ!?もしかしてケガでもして出られなくなったの!?」
と私は一瞬びっくりしました。
けれど実際のお話は、もう一人の立候補者が最後まで弾ききれず、
オーディション自体がなくなったというものでした。
結果として彼女が自動的に伴奏を任されることに。
本人は「伴奏できるのは嬉しいけれど、本当はオーディションで弾きたかった。聴いてほしかったな」と少し複雑な気持ちもあったようです。私も同じ思いでした。
でも、それ以上に「この夏、たくさんピアノを聴かせてくれてありがとう!楽しい夏をありがとう!」と伝えたい気持ちでいっぱいです。
ひと夏での成長は、本当に素晴らしいものでした。
合唱コンクール本番、クラスの歌声をしっかりと支える伴奏になることでしょう♪