
「うちの子
人前に出るのが苦手なんです」
体験レッスンや面談で
保護者の方からよく伺う言葉です。
恥ずかしがり屋さん。
目立つことが苦手。
みんなの前で発表するのは緊張してしまう。
そんなお子さんは決して少なくありません。
でも私は
その姿を見ていて思うことがあります。
それは、
「自分の気持ちに
振り回されてしまっているのかもしれないな」
ということです。
ピアノを弾いている時にも
それは音に表れます。
鍵盤にそっと触れるだけのような音。
まるで内緒話をしているかのような小さな音。
「間違えたらどうしよう」
「これで合っているかな」
そんな不安が音に乗って
伝わってくることがあります。
音は振動です。
そして、その振動は弾いている本人にも
返ってきます。
不安な気持ちで弾けば
その音を自分自身が聞いて
さらに不安になる。
心配な音を出せば
その音を聞いてまた心配になる。
いつの間にか
その繰り返しになってしまうのです。
そんな時
私は子どもたちに伝えます。
「心配しているのは、あなたの心じゃなくて
あなたの指かもしれないよ」
と。
指は初めてのことが苦手です。
知らないことが不安です。
だから安心させてあげる必要があります。
そのために必要なのは、
「大丈夫だよ」
と気持ちで励ますことだけではありません。
楽譜をよく見て、
リズムを知って、
音を知って、
弾き方を知って、
指にたくさんの情報を
教えてあげることです。
分からないから不安になる。
知っているから安心できる。
これは子どもも
大人も同じです。
レッスンでは
ただ曲を弾くだけではなく
「どうしてこの音なの?」
「ここはどんなふうに弾くの?」
そんなことを
一緒に考えながら進めています。
だから最初は
小さな音しか出せなかった子が
少しずつ自信を持ち
自分の音を出せるようになっていきます。
恥ずかしがり屋でも大丈夫。
人前が苦手でも大丈夫。
最初から自信がなくても大丈夫です。
大切なのは、
その子の中にある「できる力」を
信じて育てていくこと。
もしお子さんが
「間違えたくない」
「自信がない」
「恥ずかしくて前に出られない」
そんな気持ちを抱えているなら
ピアノを通して少しずつ
自分の音を見つけていけるかもしれません。
その一歩を
一緒に応援できたら嬉しく思います。